ジュニアサッカーの戦術とフォーメーション|プレスが効くのは?

サッカーのジュニア基本戦術

ジュニアサッカーにおいて基本戦術とはどういった方法でしょうか。
大きく分ければ結局2つしかないというのが私の考えです。


1つ目の戦術は、ハイプレスで相手にプレッシャーをかける方法。
2つ目の戦術は、ボールを保持してボールを失わないようにして攻める方法。



これは大人もおなじなのですが、結局サッカーの戦術といえど、大きくはこの2つしかなく、しかも相手と自分のチームのチーム力の差をみてどちらの戦術で行くかを決定するというのが、実際のところだと思います。


自分たちのチーム、もっと詳しく言えば、相手より自分たちのチームの個々の技術が相手を上回る場合は、プレスをうけても回し続けることができるので、2つ目の戦術である、ボールを保持してボールを失わないようにして攻める方法を選択できます。


ところが、相手のほうが、自分たちのチームの技術力よりも上の場合は1対1でも勝てないことが多くなるので、1つ目の戦術であるハイプレスで相手にプレッシャーを掛ける方法をとることになります。

サッカーのジュニア戦術|前線からのプレス例

さて、ハイプレスと言葉でいってもなかなかイメージがわかないと思いますので、まずは少し前の試合ですが、日本代表対イタリア代表の例でみてみましょう。


3対3で迎えた、85分過ぎの今回のコンフェデ杯の日本代表対イタリア代表の試合での最後の一点は、ある意味、イタリア代表の前線からのプレスが効いたことによるイタリア代表の底力による一点となっています。


前線からのプレスの例としてはとてもいい見本だと思います。


イタリア代表のゴールキックから始まったプレーは、いったん、日本代表ボールに納まったかにみえました。


しかし、代わって入っていたフレッシュなイタリア代表選手による前線からのプレスにより、日本代表選手の中途半端なクリアをさそいます。


代表クラスの選手でも、素早いプレッシャーのなかでは、焦りをうみ、ミスも生まれるのです。


クリアボールをひろった、イタリア代表選手から、スルーパスのでる瞬間には日本代表選手たちのボールウォッチャー状態を生み出しています。


狙い済ましたみごとなスルーパスで、イタリア代表が1点をもぎ取ったという、冷静に見ると、本当に、みごとな1点だったと思います。ぜひ見てみてください。




ジュニアサッカーのフォーメーション

さて、戦術は簡単にいってしまえば、①プレッシャーかけて相手に時間をあたえないか、②自分たちのペースでボールをまわすという2つでした。


それに対応するフォーメーションとしては、11人制であれば、4-3-1-2という4バックとして、ボランチをおき、2トップの下に1枚トップ下をおくというフォーメーションが一つ。



そして、最近では、3バックとして、3-2-4-1というパターンですね。


3バックの前に、ボランチ2枚、そして、サイドハーフとトップ下に2枚。そしてあとは1トップです。





これが、ジュニアサッカーの場合8人制となりますから、ゴールキーパー(GK)以外に、7人いて、3バックを取り入れるチームは、3-3-1として1トップの形をとることが多く、2バックを取り入れるチームは、2-4-1もしくは、2-3-2といったフォーメーションをとります。


いずれにしても、11人制では3バックの場合、8人制では2バックの場合は3人もしくは2人のDFの連携能力と集中力にかかってくる部分も大きいフィーメーションといえるでしょう。

サッカーのジュニア戦術分析

さて、基本的なジュニアの戦術が、


①ハイプレスで相手にプレッシャーをかける
②ボールを保持してまわす。



という2パターンでした。そして、ジュニアの基本フォーメーションとしては、


①2バックとする2-4-1という形か、
②3バックとする3-3-1という形が多くあります。



その中で、ジュニアチームの場合、どういうフォーメーションと戦術の組み合わせがいいのかは、とてもむずかしい部分があります。


というのは一番はじめにも記載しましたが、とくに戦術は相手との力の差でどういう戦術で行くのが最適かが、変わってしまうからです。


ただ、ジュニアに関わってきておもうのは、どちらかで行くと決めてしまわず、子どもたちには、2つの戦術があって、相手との力の差次第で試合の中で決めていくということが一番いいということです。


こどもたちの可能性は無限大です。こどもには選択肢を与えておいて、自分たちで決めさせていくことが重要だと思います。


ただ、練習試合では、『今日はプレッシャーをかけまくる試合』とか、『今日はボールを保持しながらゲームを組み立てる試合』などといって、相手の力量を勘案しながら、目標を決めていくといいと思います。

ジュニアに監督の戦術をあてはめていいのか?

ジュニアのチームをもっていると監督の考える戦術に子どもたちをあてがっていくのか、子供の能力をみて、戦術をきめるのか?といったことに悩むこともあります。


これは、ジュニア時代の勝ち負けだけを考えると、チームの中で秀でた子をうまく使って、チーム力が最大限にいきるサッカーをしたいと考えがちですが、やはり個人個人のことを考えるといろいろなサッカーをできるようにしておくことがジュニアの時代では必要だと考えます。


なので、わたしはジュニアのチームを持った場合は、監督が考える戦術、フォーメーションに子どもたちを割り振るような考えもありだと思っています。


足の早い子がいるからその子をたくさん使うような戦術やフォーメーションも考えられますが、そうした戦術やフォーメーションは相対的な力関係で全国優勝するようなチームでもない限り、いつかは負けてしまいます。


それでは、長期的な視点にたったときに子どもたちのためにならないと思います。なので、できるかぎり監督の考えるフォーメーションのなかで子どもたちにいろいろなポジションをやらせて、自分の特性に気づかせたり、オールマイティーに技術をみがくモチベーションをもたせるのがいいと考えます。