少年サッカーのお父さんコーチの皆様、日々の指導お疲れ様です。
「FWの動き出しを教えたいけれど、どう伝えればいいか分からない」
「試合中、FWの選手がただボールを待っているだけになってしまう」
といった悩みはありませんか?
テレビや動画ではどうしても「ボールがある場所」ばかりが映るため、FWの最大の武器である「消える動き(オフ・ザ・ボール)」を学ぶのは至難の業です。
今回は、子供たちが明日から意識を変えられる、FWの突破(ペネトレーション)について述べていきます。
1. なぜ「FWの動き」を教えるのは難しいのか?
試合のハイライトを見ても、ゴールシーンの「シュート」や「ラストパス」は映りますが、「その3秒前にFWがどこに動いたか」は画面から切れてしまっていることがほとんどです。
元なでしこジャパンの川澄選手のゴールシーン(下記の動画の3分過ぎの部分)を例に挙げても、彼女がどのタイミングで、どんな軌道で走り出したのかは、ピッチ全体を見渡せるスタジアムでなければ完全には把握できません。
しかし、ヨーロッパなどのサッカー先進国では、ジュニア年代からこの「戦術的な動き出し」を言語化して教えます。「なんとなく動く」のではなく、「相手の視界から消えるために動く」という理論を、子供たちに授けてあげましょう。
2. 世界最高の「消える」ストライカー:ルイス・スアレスに学ぶ
FWの動きの質を深めるために、元ウルグアイ代表のルイス・スアレス選手を参考にしてみましょう。彼は決して足が速すぎるわけではありませんが、DFの視界から消える技術に関しては世界最高峰です。
スアレスのプレースタイル:斜めの動き(ダイヤゴナルラン)
スアレスは、ボールを保持している味方に対して直線的に走るのではなく、常に「相手DFの背中側(視野の外)」を通って斜めに走り抜けます。
「ストライカーにとって最も重要なのは、自分が動くことで相手DFに『決断』を強いることだ。右に動くか、左についてくるか。その迷いが生じた瞬間に勝負は決まる」
この言葉通り、突破とは「足の速さ」だけで行うものではなく、「相手との駆け引き」で行うものなのです。
3. 明日から実践!「ブラインド・サイド・アタック」練習法
子供たちが「いつ、どこへ動けばいいか」を体感できる具体的な練習メニューを提案します。
練習メニュー:3人1組の「L字抜け出し」ドリル
【設定】
- 出し手(パサー)、FW、DF(コーチが担当でも可)の3人。
- パサーはFWの正面、15m離れた位置に立つ。
- DFはFWの目の前(2m先)に立つ。
【手順】
- FWは一度、DFの視界に入るように左右どちらかにフェイントを入れる。
- DFが反応した瞬間、DFの背中側(ブラインドサイド)を通って逆サイドへ斜めに走り出す。
- パサーは、FWがDFの背中を通った瞬間にスルーパスを出す。
- FWはスピードを落とさずトラップしてシュート。
【指導のポイント】
- 「相手の背中が見えるか?」:FWの選手に、相手DFの背番号が見える位置まで回り込むよう斜めに走るアドバイスしてください。
- アイコンタクト:パサーと目が合った瞬間に動き出す「タイミング」を意識させます。
- 最初はゆっくりでOK:動きの軌道を理解させるため、DFは最初動かずに「壁」として立っているだけでも効果があります。
まとめ:ボールではなく「スペース」を見せる
子供たちはどうしてもボールを追いかけてしまいます。しかし、FWが本当に見るべきなのは、「次に自分が使うべきスペース」と「相手の視野の死角」です。
この斜めに走ることが相手の視野の死角にはいることになるのです。ここが重要です。
お父さんコーチの皆さんは、ぜひ練習の中で「今、相手のDFから君は見えていたかな?」と問いかけてみてください。その一言が、子供たちの突破力を劇的に変えるきっかけになるはずです。その一つのコツが、相手の背中を抜ける「斜め走り」です。
相手DFから1mも離れたら十分です。川澄選手がまさにそれで点を決めていました。ぜひ、明日からやってみてください。

