今回のサッカー練習のポイント
- 1 【サッカーU10練習メニュー】ポイント
- 2 1.【サッカーU10練習メニュー】ドリブル
- 3 2.【サッカーU10練習メニュー】ボールタッチ(クーバートレーニング)
- 4 3.【サッカーU10練習メニュー】ボールタッチ(マーカードリブル)
- 5 4.【サッカーU10練習メニュー】浮き球対応(基本練習)
- 6 5.【サッカーU10練習メニュー】リフティング
- 7 6.【サッカーU10練習メニュー】キック
- 8 7.【サッカーU10練習メニュー】とめる
- 9 8.【サッカーU10練習メニュー】うける
- 10 9.【サッカーU10練習メニュー】選択・判断
- 11 10.【サッカーU10練習メニュー】からだの動き(アジリティ)
- 12 11.【サッカーU10練習メニュー】その他
- 13 【教材ランキング】子供サッカー オススメランキング10選
【サッカーU10練習メニュー】ポイント
・一日でいろいろなことをやる日があってもいい。
・サッカーはいろいろなことの複合スポーツである。
・ひとつだけができるよりいろいろなことができたほうがいい。
だけど、そのうえで人より得意なものを伸ばす
というわけで、【サッカーU10練習メニュー】として徐々にU8年代に比べると、いろいろな種類のトレーニングが子供たちにとってプラスと考えます。
子供たちは、簡単にできることはすぐ飽きてしまいますし、1人だけできるようなことは「自分も!」と思って頑張ります。
- 適切な難易度
- 競争心をあおる工夫
- 反復がある
こうした練習がU10 の練習メニューとしては最適です。
ポイント1|オーガナイズを変える
いろいろな複雑なメニューもやってもいいと思うのですが、今回例としてあげる練習を軸に、オーガナイズを変化させることでトレーニングさせることが重要だと考えます。
オーガナイズを変化させるというのは、
・サイズを変える
・ルールを変える
・得点方法を変える
といったことです。
同じような練習メニューでも、オーガナイズを変化させると劇的に練習の状況は変わります。
サイズについていえば、コートを半分にすれば、今まであまり考えずにワンタッチ目を処理していた選手はたちまち苦労することになります。
ルールを変えるという点に関しては、例えば、2タッチまでと制限をくわえると周りをみる、という習慣ができていない子供はたちまち苦労することになります。
得点方法を変えるという点に関しては、ラインゴールにして、ライン上にボールを止めたらゴールというルールにした瞬間にゴールの幅がひろがるので、幅を使った攻撃を考えやすくなります。
わたしは、13年間小学生の指導をやってきて感じたのがごちゃごちゃ難しいことを考えるよりシンプルに1対1から始まり、3対3や4対4といったシンプルな練習がよいということ。
シンプルな練習でも、オーガナイズを変化させることで子供たちに多様な気づきをあたえることがよい、というのが私の考えです。
ポイント2|複雑化しすぎない
「サッカーはサッカーをすることでしかうまくならない」
という言葉があります。
まさに言いえて妙です。
U10 に必要と思われる練習を今日は紹介していきますが、技術練習の先にあるのはサッカーである、ということを常にあたまにいれておきたいものです。ともすると、ルールが複雑になりすぎて練習のための練習になってしまうこともあるからです。
技術練習をしたうえで、その日の最後のゲームで
【あっ、今日の練習のおかげで試合中上手くできた!】
という経験を子供にさせてあげるのがゴールです。
先日、中村俊輔選手がyoutube動画の中で『ゾーンに入った時にやったことないようなプレーがでる』といっていました。
わたしもそういった経験があるのですが、やったことはないけどプロのサッカーで見たことがあるプレーはとっさにできてしまったりする経験があります。
U10年代は、ゴールデンエイジともいわれる時期で、いろいろな練習でいろいろな場面を見たり経験することでどんどん伸びます。
でも、その練習とはサッカーの実践に近い状況であるべきです。
実践で使えない技術は大道芸の芸と変わりません。リフティングはうまいけどサッカーが上手いとは限らないことと同じです。
たとえ、すごいボール扱いをできたとしても、サッカーからかけ離れた技術だとしたらサッカーではなく芸になってしまいます。
練習の中で「トライ&エラー」を積極的に子供たちに働きかけ、自分たちで「サッカーに役立つ技術とは何か?」をわかるようにする習慣を植えさせてあげることが、U10の練習を受け持つ指導者に重要なこと。
ポイント3|自分で気づかせる
私自身、公式戦において勝利至上主義に走ってしまい過度なサイドコーチングをしていたことがあります。
試合には勝つかもしれませんが、あの時は子供たちに自分で考え判断させる経験をさせれなかったと後から気づきを得ました。
いまではかなり浸透してきましたが、目の前の勝利にこだわっていると将来芽が出る可能性のある選手の芽を摘み取ってしまうかもしれません。
指導者としてそれはあってはならないことです。
今、勝てなくても子供たちがサッカーを理解しサッカーに役立つ技術を少しずつ習得し育っていくと、中学生、高校生で一気に伸びる可能性がでてきます。
私たち指導者はそれを待たなくてはいけないと思います。(自戒を込めて書いてます。)
身長などの成長の差がでてくるのもこのあたりの時期ですが丁寧に、【とめる】【ける】【はこぶ】技術を磨いておくと、体が大きくなったときに必ず体の大きさや速さだけでやってきた選手を追い抜けます。
私自身、子供たちを見ていてホント、そう思います。
中村俊輔選手が、ユースに上がれなかったけど高校生になって体が大きくなりあっという間に周りを追いぬいていった話は有名です。
こうしたことも頭に入れながら、U10年代では成長著しいだけに、丁寧に細かい技術チェックをしていくべきです。
たとえば、
・近距離のパスのボールは浮かさない
・ボールのとめる位置を1cm単位でこだわる
・身体の向きはよかったのか?
・他の選択肢はもっていたのか?
・ボールをもらう前に考えておくべきことは他になかったか
といったところです。また、こうしたことはよくコーチから「言葉」で伝えがちですが、自分たちで気づかせる工夫も時には大切です。なぜなら、試合中は自分で状況をみて判断しなければならないからです。
なので、例えば、上記の点を伝えたい場合、上記のことを気づかないとうまくいかない状況設定を作る工夫をすると良いです。
たとえば、
近距離のパスのボールは浮かさない
このことを意識させるために近距離でのパス練習時にコーンを2つ並べてバーを設置してその下を必ず通す、という制約を付けます。バーの下をとおすには、かならずボールを浮かさないようにしなければならないので、否が応でも浮かさない意識ができます。
これは、真ん中に人をたたせてその人の股の間を必ず通す、というようなルール付けでもできます。
ボールのとめる位置を1cm単位でこだわる
言葉でいってもうまく伝わりません。それであれば例えば、コインを地面に置きましょう。コインの真上に止めるゲームをするだけで、勝手に子供たちは1㎝にこだわってボールを止める練習をしてくれます。
コインがなければ落ち葉でもいいですし、なんでもいいのです。落ち葉だと少しの風で動くので状況が変わって面白いかもしれません。これは経験ですが、落ち葉の上に止める練習をしたあとに、試合をやるとボールストップのあとの余裕がかなりあったように感じたことがあります。これは、止める精度が良くなった結果、自分の時間が増えたということなのです。
自分の時間が0.5秒でも増える、つまりボールタッチのあと顔をあげるのが0.5秒早くなる、つまり相手の位置がおそらく2mか3mは今までより遠くにいるはずなのです。だから、余裕ができたように感じるのです。そしてこのような気づきを得た選手は次からコインがなくてもボールを止める際に1㎝にこだわり始めるはずです。
いかがでしょうか。ちょっとした工夫で言葉で説明しなくても子供たちが自分たちで気づくように仕向ける工夫はいくらでもあります。コーンを使用する場合であれば、コーンのおき方ひとつでも状況は変わります。よく、サッカーノートをつける選手が伸びるというのがあるのですがこれは、こうした細かいところを気づきとして練習後に頭の中で整理しているからだと考えます。
以上いろいろ述べてきましたが、以下にいろいろ技術練習を記載しますが最後はその技術を試合で使えるものにする、ということを念頭に練習していくとよいと思います。
1.【サッカーU10練習メニュー】ドリブル
- ワンステップワンドリブル
- 右、左、足裏、キックフェイント、ターン、
- アウトサイドだけ、インサイドだけ
- 相手と違う矢印
- ぶつからない
- フルスピードドリブル、
- 1,2,3でフルスピード
U10年代では、なるべく正確性を重視したいものです。
- どこでボールをさわるのか?
- ボールのどこをさわるのか?
- なぜ失敗したのか?
常に考えさせたいですね。
そうした思考回路が、のちのちの伸びにつながります。
2.【サッカーU10練習メニュー】ボールタッチ(クーバートレーニング)
U10年代ではこうした基本的技は試合で使うことを意識させてなるべくいろいろな場面で『うまくいった』経験を積ませてあげたいです。
子供たちにも、
- 足が長いので敵から取られにくい
- 足は遅いが切り返しがはやい
- 足裏での扱いはうまい
などなど特徴があります。
子供それぞれにあったものを試合で使わせてそれを自分の武器にしていく訓練をすると子供はどんどん伸びます。
3.【サッカーU10練習メニュー】ボールタッチ(マーカードリブル)
- 右足だけ
- 左足だけ
- イン、アウト
- 足裏
U10では、マーカードリブルもスピードアップしていきたい段階です。
ただ、まだゆっくりでもうまくできない選手は、まずは正確にやることを優先すべきです。
4.【サッカーU10練習メニュー】浮き球対応(基本練習)
- インサイド
- インステップ
- ももトラップ
- 胸トラップ
※U10レベルは見て真似するのが簡単なゴールデンエイジ時期に入ります。
なので、練習もいいですが、下記のような動画でいいプレーをみることもU10くらいからはおすすめです。
こんな動画をみせるだけでも、ゴールデンエイジの世代に入ったU10の選手なら明日からできるようになってしまうと思います。
ただ、子供によってはこうした動画に興味を示さない子供もいますので、そうした子供たちにはうまい子供と試合をさせるのが一番です。
そうした上手い子供が、うまく浮き球を処理したときに、その子をたくさんほめると、子供たちの中で競争心から上達を自然と目指すようになっていきます。
1:01-1:11 【浮き球処理】 足裏トラップ
1:37-1:45 【浮き球処理】 つま先上トラップ
3:05-3:25 【浮き球処理】 胸トラップ
小学生は理屈より見せることも重要です。
自分が見せるもしくは、上手い子供に見本をやってもらいましょう。
浮き球処理についてもっと見てみる?>> 浮き球処理
5.【サッカーU10練習メニュー】リフティング
- フリー
- インステップ
- インサイド
- もも
- アウトサイド
- 頭
- 歩きながら
U10年代では、止まった状態ではいくらでもできるという状態までは持っていきたいと考えます。
できる子供には、歩きながら、走りながら、といった動きを取り入れていくのがよいと思います。
単純なクローズドスキル的なとまった状態でのリフティングは簡単にこなせる子にとっては面白くありません。
ハードルをどんどんあげてあげましょう!
49:43-50:33 【リフティング】 リフティングが上手くなると浮き球キックもうまくなる
リフティングがうまくなると空中でのボールの接触感覚がよくなり次の動画のような場面で落ち着いてゴールをきめることができます。
小学生であまり慣れていない子だと、ゴールのはるか頭上にボールが行ってしまうパターンです。
33:43-34:30 【リフティング】 リフティングが上手くなると浮き球シュートもうまくなる
次の場面ではゴールまえでよく2人組でリフティングをしているような場面で出てくる浮き球処理の場面が出てきます。
この場面ではうまく2タッチ目で処理してます。
6.【サッカーU10練習メニュー】キック
- ころがってきたボールをける(=初心者用)
- インサイド、インステップでボールをあてる
- ぶつけるつもりで早いパスをキック
- コーンあてゲーム
- ボールの芯にあてる
6:20-6:59【キック】ころがるパス
地面を這うように、はじめは速いけど相手に届くころにはちょうどいいパス。
このようなパスの質は、動画や実際に見ることが一番です。
何度も見ると自然に出るようになります。
24:58-25:40 【キック】インサイドでシュート
パスが2本つながって、最後はインサイドの面をつくってしっかり当てています。
こうした場面を見せることで練習がどういったものにつながるのかをイメージしやすくなります。
7.【サッカーU10練習メニュー】とめる
「とめる」と一言でいっても多種多様な場面がでてくるのが、サッカー。
どういう形でとめると次のプレーがしやすいとか、どういうからだの向きだと周りが見やすいとか、個人差もたくさんあるのでとにかく、いろいろな経験、練習をして感じてもらうのがよいです。
決して押し付けではなく、「自分たちで気づかせる」ことがポイントです。
では、いろいろな練習とそのオプションです。
・線の上でとめる(クローズドスキル)
1.止めたあと180度回転
2.止めてその直後にもう一度急ダッシュ
3.止めた後振り向いてスライド(ダブルタッチしてゴー)
この止めるというポイントにおいては、すぐ次の瞬間に自分が何でもできる位置、つまりドリブルもパス、シュートのいずれも選択できる位置にボールをとめるということが重要です。
試合においては次の動画のように、そのポイントが重要ということを子供たちに感じてもらうことが重要です。
・マーカーのあいだでとめる
1.マーカーの色を変えて、コーチの出したカードの色をみてそのマーカーの横に止める(これは周りを見る訓練も含みます。)
2.マーカーの間に止めたあとキックフェイントを入れてターン(敵が来る想定)
3.マーカーの間でとめてボールを浮かしてリフティング開始(空中を使うことも気づかせる)
止める練習の中でも間接視野で周りを見る訓練や敵が来た時の想定をしていろいろなバリエーションをくむことが重要です。
いつも同じ型を練習するクローズドスキルの練習も重要ですが、並行していろいろなパターンを想定したオープンスキルの練習も一緒にやりましょう。
子供たちに技術にはクローズドスキルとオープンスキルの2つがあるということを意識させるのも大事です。
がむしゃらに何も考えずにスキル練習をし続けてもある程度のレベル以上にはのし上がっていきません。
・3人組みで角度をかえてパス
★3人組のパス練習
現実の試合ではきたボールをまっすぐ返すことは皆無です。
だからこそ日常的に3人、4人でパスを練習することは重要です。
★3対1のグリッド練習
慣れてきたらディフェンダーを一人入れてプレッシャーの中で練習しましょう。
ボールをうまく留めないとディフェンダーに奪われることからワンタッチ目の重要さに気づいてもらいます。
★ ゴールありの3対1
さらになれたら、ゴールに向かって3対1です。敵の1名がうまい選手だと以外にこれでも点を取れないものです。だけど、パスをまわすと敵の運動能力を0にできるという経験が可能です。またこの練習でパスのスピードも学ぶことが可能です。パスが遅いと運動能力の高いディフェンダーは追いついてカットしてしまうからです。
・4人組みで角度をかえてパス
★4人組 パス
4人組のパスは3人組の時より角度をつける必要が出てきます。
ここでもファーストタッチによってはディフェンダーから次のパスコースが、まるわかりになるということを気づかせて、いかに自分の意図を隠して次のプレーをおこなうか、ということも考えさせます。
★4人 対 1人
つぎは4対1をやってみてください。
4人になった場合、正方形を保たなくてもいいという気づきを与えることもありです。
近寄ってあげてショートパスをもらったものを簡単にダイレクトで、はたくとあっという間に状況を打開できるという気づきもこの練習で可能です。
★手をあげたらパスできない
4対1もしくは4人組のパスの練習でもいいのですが、「手をあげたらやめて他の人にパス」というルールもお勧めです。
プロの選手は次のプレーを最後の最後まで判断を遅らせることが可能です。
高いレベルになればなるほど、最後まで2つの選択肢を持っていると私は感じてきました。
このことを小さいうちから感覚的に身に着けることは重要だと思います。
8.【サッカーU10練習メニュー】うける
うけるという技術に関しても、子供たちのなかでボールをもらえないと悩んでいる子供にとってはとてもいい気づきの機会になります。
子供のころはどうしてもドリブルとかシュートに目が行きがちですが、「ボールが来ないなぁ」とか、「あまりボールをもらえない」と悩んでいる子供がいたらこの内容を意識した練習メニューを取り入れるのがお勧めです。
基本的には、まずはフリーでボールを受けてシュートするような練習をしてその後、人をつけて練習するといった順序でやるのがいいでしょう。
9.【サッカーU10練習メニュー】選択・判断
子供たちはサッカーで2人組になったとたん、パスの選択肢が絶対になる子供がたくさんいます。
だからこそ、この2対1のゲームで味方がいる状態で、
- パスを選択する
- パスをすると見せかけてドリブル突破
という2択が存在することを気づかせてあげましょう。
わたしはこの考え方がサッカーの基本であると強く思っています。
2対1でうまく攻めれない選手は8対8でも11対11でもうまく攻めることはできないだろうと考えています。
2対1のゲーム(パスorドリブル)
※試合中で一番必要な練習かもしれない
10.【サッカーU10練習メニュー】からだの動き(アジリティ)
サッカーに重要なことととして、「ボール操作」とならんで「自分の体の操作」があります。
いま、多くの子供たちがサッカースクール偏重になっているのが私個人としてはとても気になっています。
ほかのスポーツも経験することで体の可動域がひろがりますし、発想も他の選手とは違ってきます。
なので、私はアップや雨天時の練習時だけでもいいので、下記のようなメニューを取り込むことも重要だと考えます。
- 手でキャッチボール(野球ボールでも)
- 馬とび
- 反復横跳び
- 柔道的受け身
- シャドウボクシング
- 側転、とんぼ返り
11.【サッカーU10練習メニュー】その他
<練習例>
・フリードリブル
・3対1(フリー) ※5×5 グリッド
・線上でとめる(線上、音、ジャンプ)
・3対1(とめる意識)
・ボールをもらってボールにあてる
・3対1(相手の利き足をねらう)
・パスのスピード(しっかりころがす)
・3対1(どちらにもだせるところにとめる)
・4人1組 とめる
・3対1(どちらにもだせるところに)
<練習例>
・2対1(パスorドリブル)
・ゲーム(パスorドリブルの選択をch)
U10 向けの練習例としてはいくらでもありますが、重要なことは常に子供たちに「変化が起きているか?」を観察することです。
変化が起きていないなら、オーガナイズを変化させ
- サイズを変える
- ルールを変える
- 得点方法を変える
といったことを発動する、もしくは思い切ってゲームをすることが重要です。
「サッカーはサッカーをすることでしかうまくならない」
この言葉を念頭に置いて、
【あっ、今日の練習のおかげで試合中上手くできた!】
という経験を子供たちにたくさんさせてあげましょう。