今回のサッカー練習のポイント
試合に出場できないとき何を考えているでしょうか
川崎フロンターレの中村憲剛選手の言葉として私の印象に残っている言葉があります。
それは、『大きい選手とどうやって渡り合うか?』、『どうすれば試合に出られるか?』という自問自答の言葉です。
中村憲剛選手くらいであれば、当然高校や大学でもはじめから活躍していたのだろうと思っていたのですが、そんなことはなく入学当初はベンチにも入れない選手だったとのこと。
そんな中村憲剛選手が考えたことのひとつが『駆け引きがうまい選手になる』ということでした。
同じような状況にあるベンチに入れない選手はたくさんいると思いますが、同じようなシチュエーションでどんなことを考え、どんな行動をしているでしょうか?
多くの人が犯してしまう間違い
中村憲剛選手の考えたことは『駆け引きがうまい選手になる』ということです。
これはたとえば『足を速くする』とか、『体を強くする』といった上には上がいるカテゴリーで頑張るのではなく、少しずらしたカテゴリーで頑張った、という点が重要です。
多くの人が、試合に出れない時に『体力をつけよう』とか『足を速くしよう』といった身体能力の部分のみに注目しがちなのです。
現実は、少し体力がついたところで試合にはでれません。
『足を速くしよう』とおもっても、3ヶ月努力したとしても、現実的には成長期真っ最中の小学生でもないかぎり、50m走で、0.2秒も早くなればいいほうです。
サッカーはそうした部分も重要ですが、それで試合にでれるかどうかはわからないし、そこが面白さではないのです。
サッカーは『相手の裏をかく』スポーツであり、『相手の裏をかく』ことができれば、50m走でいうところの0.2秒くらいの差はあっというまにひっくりかえせるのです。
この『相手の裏をかく』という考え方はサッカーでは、重要な幹となる考え方だとおもっています。この考え方さえ身に着けておけば、サッカーの試合のおいて有利に立てるはずです。
受験勉強だと、例えば数学では実はどんな問題にも通ずる考え方というのはいくつもあるわけではありません。いくつかの基本となる考え方を用意しておいて、あらゆる問題に対処します。
そうした『あらゆる問題に通じる考え方の幹』となる考え方をもつことで、応用がききどんな問題がきても動ずることなく対処できるのです。
まったくおなじことが、サッカーでもいえるのです。さて、次から本題です。
足裏でボールを止めるフェイント
今回は、サッカーフェイント・足技のうちドリブル中にボールを足裏で止めるフェイントを学びます。
これは初心者や低学年でも比較的簡単にできて、いっぽうで『相手の裏をかく』ということを経験できるこれから成長していく子供たちにはぜひ経験してマスターしてほしいフェイントです。
このフェイントをマスターして相手の動きを自分のドリブルでコントロールできることをしれば、かならずサッカーは面白くなります。
そして、相手をみてボールを動かすことも学ぶので視野を確保する練習や姿勢を良くする訓練にもつながります。
ドリブル中に足裏でストップする実践例
ドリブル中に相手デフェンダーが攻撃側の選手がミスするのを待ちながら、ウェイトしながら下がっていくときに使えるフェイント・足技です。さっそく実例動画をみてみましょう。
右足でストップしたボールをすこし左足前に出しているのがポイントです。
ボールをストップした瞬間に相手が足を止めたら、その瞬間に素早く縦にボールをもちだし、突破します。
ボールをストップした瞬間に相手が足をとめないのであれば、勝手に相手が自分から遠くにいくので、インサイドで切り返して、内側にドリブルの方向を変えましょう。
サッカーにおいては、どんなフェイント・足技でも共通ですが、【相手の動きをみる】ことが重要です。
相手の出方しだいで、次の選択肢を変えられるように普段の練習では意識しましょう。今回のフェイントはそうしたことをある程度簡単に意識しなくてもできるフェイントなので初心者や低学年の子供にはもってこいのフェイントだと考えます。
ディフェンス側からみた足裏ストップフェイント
こうしたドリブルをすると、ディフェンダーは右に左に揺さぶられるだけでなく、とまったり、ダッシュしたりと、体力的にも消耗していきます。
とくに、反応のよいディフェンダーに相対するときには、こうした、フェイントをおりまぜて相手を消耗させると、はじめの2、3回はディフェンスにとめられるかもしれませんが、5回目、6回目には相手の体力がおちてきてあっさりと抜ける可能性もでてきます。
ディフェンスは、試合中100%とめなければいけませんが、オフェンス側は試合中、1回でもディフェンスラインを突破できて点を取ることができたら勝ちなのです。
こうしたことも、相手との駆け引きのひとつなので是非ちいさいころからチャレンジさせる習慣をつけさせましょう。
ストップフェイントの2つ目の実例動画
ここで、もうひとつ実例動画をみます。今回のストップ動画では、ボールを止める際にすこし反対側に引いているのがポイントです。
このボールを逆に引く動作で、相手ディフェンダーはほぼ間違いなく足をとめるでしょう。実際動画をみて、あなたは逆に体重がうごきませんでしたか? わたしは体重が逆に移動しました。(笑)
ストップフェイントも、動画の例もいくつか見ると、とても参考になります!!
『ボールをとめることで相手の動きをコントロールしている』という意識も重要です。
子供たちは、ぜひ、おやごさんにディフェンダー役をやってもらって、相手の動きを見ることを意識しながらかつ、相手をコントロールするという感覚を身に着けることをおすすめします。
相手あってのサッカーですから、ぜひ、相手をつけての練習をお父さん、お母さんはつき合ってあげて欲しいと思います。うまくいけば、中村憲剛選手のように体が大きくなくても相手の裏をかけるいい選手に育ちます!