サッカーオフザボールを簡単に伝える教え方
サッカーにおけるオフザボールの教え方としては、上記でお伝えしたようなポジション別の基本的な定石といわれる動き方を身につけたあとは、試合中で下記のことを何回も伝えることが重要です。
- 「いつ」動き出す?
- 「どこ」でボールをもらう?
- 「どのように」ボールを受ける?
詳しく説明していきます。
「いつ」動き出す?
小学生だとよくあるのがいつでも全力で走ってしまう例。
お父さんお母さんも
「走れ~」
って応援してしまうのでつい、子供も「全力で走る」ことがいいことだと勘違いしてしまいます。
でもわれらがイニエスタを見ると少なくとも全力で走っているのをみることはほとんどないといっても過言ではありません。
イニエスタは中盤の選手なので「全力で走る」ことがあまり必要とされていないこともありますが、
「いいタイミング」で敵をはずしてもしくは、
「いいタイミング」でスペースに顔をだす
ことが重要です。下記の事例のようにがむしゃらに走っていると簡単にオフサイドなどにもなってしまいます。
「味方の状況をみてけれるタイミングで動き出す」
ことをしっかりと伝えましょう。言い換えれば
「味方の選手の状況をみてサポートする」
ということです。
何も考えずに走るということは正解でないということをしっかり子供たちに伝えたいものです。
「どこ」でボールをもらう?
サッカーのオフザボールにおいて
「どこ」でボールをもらうのかも重要です。
例えば、相手から7M、離れた場所でボールを受けることができれば相手が寄せてくるまでに約1秒の余裕があるので余裕をもってボールをさばけます。
ところが、2Mの距離しかないところでは、正確なボールコントロールと素早い判断が必要となります。
「相手と距離」は意識するだけで確保可能です。上記の例でも裏をとるために相手DFの裏へ行こうとしていますが、相手がついてきた場合仮にボールを受けたとしても相手との距離がかなり近い状態です。
ここで、相手が後ろへ下がったことを利用して、戻ってくることで相手との距離が7M程度確保が可能となります。そうすると余裕をもってサイドでボールを受けることが可能となります。
「がむしゃらに走って相手に近づいている」選手はいませんか?
リスクを冒すべきゴール前は別ですが、中盤であれば相手と距離を考えることも重要です。
相手との「距離」も踏まえた「どこ?」で受けるのかも意識づけするよう声掛けしましょう。
「相手がついてきたら判断を変えればいい」
上記のような形でサイドでボールを受けることができれば、サイドで新たな起点を作ることが可能となり、また相手が右サイドに寄せてきたら再度サイドチェンジをしてオープンスペースから攻めるということも可能となります。
「どのように」ボールを受ける?
これは、言葉でいうとむずかしいのですが、直線的に走ってボールを受けようとするとボールをだす味方は「点」であわせる技術が必要となります。
だけど、膨らんでボールをうけるとボールを出す味方は、「スペース」を狙ってボールをだせるようになり、多少パスがずれても大丈夫な状況となります。膨らむことで時間ができるので上記の例でいくとオフサイドも避けることが可能です。
また、この「膨らんでボールを受ける」動きは「ウェーブの動き」ともいう方がいるようですが、いずれにしてもこの動きで味方はパスを出しやすくなり、なおかつ実は受ける際の視野を確保しやすくなるので、その意味でもオフサイドにもかかりにくくなります。
オフザボールの基本の動きで「オーバーラップ」という動きがありますが、まさに広義の意味で「膨らんでボールを受ける」ことと同じです。
オフザボールも文字で書くと難しく思えますが、ひととおり学んだあとはいいプレーをたくさんみることがおすすめです。
「技術力アップ 3年 オフザボール 3時間」
それくらい、技術アップよりもオフザボールはあなたのプレーを変える可能性があります。